
調剤薬局ってなんだか待ち時間が長いよね~
ただ薬をもらうだけなのに、なんでこんなに待つんだよ!!
調剤薬局でよくあるのが、「待ち時間が長い」という悩みではないでしょうか。
いつもの薬をもらうだけなのに!!
他の患者さんが全くいないのに、なんでこんなに待たされるの?
病院でもたくさん待ったのに、薬局でも待つなんて本当に嫌だ!
調剤薬局に行ったことのある人なら誰もが一度は思ったことがあることでしょう。
実は、薬剤師の私たちが裏でしている作業には『命を守るための理由』があるんです。
本記事では、「調剤薬局あるある」のなんでこんなに待ち時間が長いのか?について、調剤薬局勤務経験10年以上のまどかママが原因と裏事情を徹底的に解説します。
これを読めば、「なるほど」と納得でき、調剤薬局での待ち時間をイライラすることなく少し前向きに捉えられるかもしれません。
なぜ調剤薬局の待ち時間が長いのか?その仕組みを徹底解説!
「薬をもらうだけなのに、どうしてこんなに時間がかかるんだろう?」
調剤薬局で処方せんを出したあと、なかなか自分の名前が呼ばれず、そわそわした経験は誰にでもあると思います。実は薬剤師たちはその間にいくつもの工程をこなしています。
薬剤師の仕事は、単に薬を袋に入れて渡すだけではありません。
まずは、患者さんから受け取った処方せんの内容を確認します。「この薬とこの薬を一緒に飲んでも大丈夫か?」「処方せんの期限は過ぎていないか?」など、安全性やもろもろをチェックするのが最初のステップです。ここで少しでも疑問点があれば、医師に確認の電話を入れることもあります。これを「疑義照会」と言います。
その後、処方内容をパソコンに入力し、実際に薬をそろえる「調剤」に入ります。薬には錠剤・カプセル・粉薬・水剤などいくつもの種類があり、正確に取り揃える必要があります。薬は何千種類もあり、似た名前の薬もたくさんあるため取り違え防止のチェックも欠かせません。
さらに、薬剤師は「ダブルチェック」という安全確認を行います。これは、調剤を担当した薬剤師とは別のスタッフが、薬の種類・量・用法を再確認する工程です。時間はかかりますが、患者さんに間違いのない薬を届けるために必要な手順です。
そして最後に行われるのが「服薬指導」です。薬の飲み方や注意点を説明し、患者さんの体調や副作用の有無を確認します。時には「最近眠れない」「食欲がない」などの相談や、薬とは全く関係のない身の上話をされることもあり、患者さんによっては長くなりがち。
このように、調剤薬局の待ち時間の裏には、いくつもの安全確認と丁寧な作業が積み重なっているのです。見えないところで薬剤師たちが「正確さ」と「安心」のために時間をかけている。それが、待ち時間の本当の理由なのです。
原因①:薬の種類によっても待ち時間が違う?散剤や一包化の裏側

正確に作業しているのは分かったけど、粉薬とか1袋に薬がたくさん入っているものって、結局機械が全部やってるんじゃないの?
調剤薬局での待ち時間を左右する大きなポイントのひとつが「調剤の方法」です。
とくに「散剤(粉薬)」と「一包化」は、見た目以上に手間と時間がかかる作業。現場では、丁寧さと正確さが求められる工程の連続です。
患者さんは全部機械がやっているんじゃない?と思う方もいると思います。しかし、機械が全てやるわけではありません。
まず「散剤」は、複数の粉薬を混ぜ合わせることが多く、それぞれの粉薬を正確に測るという繊細な作業が必要です。粉の性質によっては均一に混ざりにくいものもあり、薬剤師が目で確認しながら丁寧に混ぜていきます。スピードも重要ですが、正確さがとにかく大切な作業と言えるでしょう。
一方で「一包化」は、朝・昼・夕・寝る前といった服用タイミングごとに、数種類の薬を1袋ずつまとめる方法です。
分包機という機械に薬をセットして、そのまま終わりではありません。途中で薬が詰まったり、1袋に入る薬の数が間違っていないか、1包ずつ確認する作業が待っています。特に日数が長いとその分多くなるため確認作業も長くなってしまいます。
こうした工程を経て作られる散剤や一包化は、患者さんの「飲み間違い防止」や「服薬のしやすさ」を支える大切なものなのです。待ち時間が少し長く感じられるかもしれませんが、その裏では、薬剤師が一人ひとりの安全のために細心の注意を払っているのです。
原因②:処方内容の確認や問い合わせが発生している

お医者さんに問い合わせ?お医者さんが間違うわけないじゃない!?
もうひとつの大きな理由は、ときに「医師への確認作業」が入ることです。
私たち薬剤師は処方せんの内容に少しでも違和感があるとき、そのまま調剤を進めずに医師に確認を取ります。たとえば、他の薬との飲み合わせ、副作用のリスク、同じ成分の重複など、気になる点があると医師に確認をするのです。
また、医師は間違えないとみなさんは考えると思いますが、医師も人間です。たまには間違えます。
いや、たまにではありません…。(こんなことを言ったら怒られますね(;’∀’))
この確認作業がなかなか手ごわくて、かなり待たなければいけない場合もあります。医師に電話がつながらない場合は待機が必要ですし、医師の返答を受けて処方内容が変更されることもあります。こうした安全のためのプロセスが、調剤薬局の待ち時間に影響しているのです。
原因③:混雑する時間帯と、患者対応の多様化

調剤薬局っていつも混んでない?めちゃくちゃ人がいるんだけど!?
最後に、意外と見落とされがちなのが「時間帯」と「患者対応の多様化」です。
ピークタイムには、患者さんがたくさん押し寄せて数十枚の処方せんが一度に届くこともあり、調剤室の中はまるで戦場のよう。どんなに手際のいい薬剤師でも、順番に処理するには限界があります。
また、最近は「ジェネリック医薬品ってなに?」「飲みにくい薬を粉にできる?」といった個別の相談も増えています。患者さん一人ひとりに丁寧に対応することで、信頼関係を築くことができる一方、作業時間はその分延びていきます。
待合に患者さんが居なくても、処方せんだけ預けてあとから薬を取りに来る方もいます。その場合、薬の準備は行われるため薬剤師は大忙しです。
このように、調剤薬局の待ち時間が長くなる背景には、「安全・正確・丁寧」の三拍子を守るための努力があります。
見た目は静かに見えても、裏では薬剤師たちが目を光らせ、確認と調整を繰り返しています。
だからこそ、少し時間がかかっても、「自分の薬が安全に手元に届くための必要なプロセスなんだ」と思ってもらえると嬉しいです。
まとめ:待ち時間を減らすためにできること
調剤薬局の待ち時間を少しでも短くしたいときは、ちょっとした工夫が効果的です。
たとえば、病院の混雑が落ち着く昼過ぎや夕方以降に来局時間をずらしたり、事前に処方せんをアプリやFAXで送っておく方法があります。薬局側も準備がしやすく、受け取りまでがスムーズになります。
待ち時間には、薬剤師があなたの安全を守るための確認作業をしている時間も含まれています。少しの余裕を持って利用することで、より安心して薬を受け取れるはずです。
これからも「調剤薬局」の裏側や、「待ち時間」に込められた丁寧な仕事を知ってもらえたらうれしいです。
薬を受け取る時間が、少しでも安心できて、心にゆとりを感じられるひとときになりますように。


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